牽制悪送球がベンチに入ったりボールデッドラインを超えたりしたために

「ルールによるボールデッド」となった場合には、牽制球を投じた状況によって

以下の通りの扱いをします。

 

(1)投手板に触れている投手が正しく牽制球を投げて悪送球

     →各走者は1つ進塁します。
     ≪野球規則7・05(h)≫

 

(2)投手板に触れている投手が正しく塁の方向に踏み出さなかったためにボークを宣告され、

        その牽制球が悪送球

       →(1)の取り扱いの適用による進塁1つとボークによる進塁1つの両方を与えられるので

           進塁2つとなります。

 

  これは規則8・05【付記1】に、

  「投手がボークをして、しかも塁または本塁に悪送球(投球を含む)した場合、塁上の走者は、

      ボークによって与えられる塁よりも更に余分の塁へアウトをとして進塁しても良い」
      という規定があるからで、「アウトを賭した進塁の試み」が「ボールデッドによる進塁」

      に置き換えられることになります。

 

(3)投手板に触れていない投手が悪送球
   →走者は2つ進塁します。
   ≪規則7・05(g)≫

 

(4)投手板を外して牽制する際に手順違反を犯してボークをとられたがそのまま送球し、

   それが悪送球
   →走者は1つ進塁します。これは「ボーク」によるものです。

 (2)の取り扱いとの違いは「牽制行為そのものが反則行為」であるかどうかの違いで、

   「手順違反でボークをとられてプレイが停止した後の悪送球」の場合は「ボークによる進塁」

    だけが、有効となり「ボールデッドとなる悪送球」による2つの進塁は得られません。

 

野球規則においては「ボールデッドとなったために走者に安全進塁件が与えられる場合」には常に

「投手の投球当事の占有塁」もしくは「ボールデッドとなった悪送球が野手の手から離れた時点」

を基準とします。 ※投手の投球当時とは投球板に足が触れている状態 オンザラバー